要約「やり抜く人のための9つの習慣」【継続が苦手な人の自己分析にピッタリ】
この記事では、サクッと詳細かつ簡単に
- やり抜くための9つの習慣
という本を要約します。
この本は、冒頭から
なぜ、あなたは目標を達成できたのですか?
なぜ、多くの人は目標を達成できないのでしょうか?
という問いかけに始まり、目標を達成できる人に共通する9の思考や行動をわかりやすくまとめていました。
Amazonでの評価が非常に良く、ポチっと購入した1冊になりますが
- かなり薄くて読みやすい本
でした。
考えさせられる部分もあり、継続が苦手な人の自己分析にピッタリな気がします。
おそらく30分あれば読めてしまえる分量なのですが、要のポイントとなる9つの習慣
- 目標に具体性を与える
- 目標達成への行動計画をつくる
- 目標までの距離を意識する
- 現実的楽観主義者になる
- 「成長すること」に集中する
- 「やり抜く力」をもつ
- 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
- 自分を追い込まない
- 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
以上の内容を改めてまとめておき、今後の自分への戒めにしたいと思います。
要約(簡単まとめ)で本書の内容をおさえたい方は、以下参考にしてくださいね。
1. 目標に具体性を与える
最初の項目は
- 目標に具体性を与える
というものです。
例えば「痩せる」と目標を立てるなら「3か月で5キロ痩せる」といった具合に
- 期限
- 時間
- 数値
までを想定して、目標をたてます。
これは非常にわかりやすくて、実践してる人も多いかもしれません。
「あの子を惚れさせる」では漠然としています。
でも「あの子と1日1回会話をして1か月後にデートに誘う」だったら具体的ですし、恋も進展しそうな気がします。
具体的な目標がないと人間は
- 楽な方へと流されやすくなる
という指摘もありました。
また、実現しなかったとき
- 何が原因かすぐにわかる
というメリットがあるのも重要です。
+α 目標達成の障害を考える
目標を具体的に設定するのが、第一のステップ。
それができたら同様に
- 目標の障害となるもの
も想定しておくべきだと、この本には書かれていました。
「成功している自分」と「今の自分」の差(=コントラスト)を考えて、自分に足りないものを冷静に自覚し、問題に対処するのが大事だということです。
2. 目標達成への行動計画をつくる
目標達成を果たすには
- いつ何をどこでやるか
を明確にする必要があります。
何をするかが日々計画になっているだけで、行動する可能性は300%高まると書かれていました。
本書の中では、目標達成の切り札として
- If then プランニング
という考え方がおすすめされています。
「If then」は「(もし)こうなったらこうする」という意味です。
例えば
- 夜10時になったら読書をする
- トイレに入ったら英単語を覚える
- 水曜日になったらジムに行って運動
といった形で、行動計画を立てて行動を習慣化させるというものです。
実際の実験結果で、この「If then」プランニングをした被験者の91%が運動の習慣化に成功したという報告も書かれていました。
(「If then」を使わなかった被験者は31%しか習慣化に成功しなかったそうです)
「XならY」
という条件付けは、脳が記憶しやすい。
よって無意識のうちに行動できるようになり、自然と習慣化に成功するという話でした。
3. 目標までの距離を意識する
次に
- 今の自分
- 理想の自分
この2つの距離をきちんと意識する必要があります。
その方法として
- 他人からフィードバックをもらう
- 自分で進捗状況をモニタリングする
この2つが挙げられていました。
ただしポイントとして
- 初心者はあまり頻繁にチェックすべきでない
という指摘がありました。
未熟な人があまりに習熟度を頻繁にチェックすると、かえって混乱してしまうからなのだそうです。
なので、ある程度のコツをつかんでから…というのは頭に入れておきましょう。
+α モチベーションをあげるフィードバックの方法
フィードバックのやり方は非常に重要で、正しくやればモチベーションは上がりますが
- 間違えるとモチベーション低下
につながる「諸刃の剣」という指摘もありました。
特に印象的だったのが
- これまで思考
- これから思考
この2つの違いです。
「これまで思考」は「どこまでやり遂げたか」に視点を向けるスタイルです。
一方で「これから思考」は「あとどれだけやらなければいけないのか」に目を向ける考え方です。
皆さんは、どちらの考え方がモチベーションを低下させると思いますか?
実際、次のような研究結果があるようです。
大事な試験を控えた大学生を集めて、片方のグループ①には
覚えないといけないことがあと52%残ってる
と伝えます。
もう片方のグループ②には
覚えないといけないことをすでに48%覚えた
と伝えます。
その結果、グループ①のモチベーションがグループ②よりも格段に上がったのだそうです。
何故かというと、やり遂げたことに目を向ける「これまで思考」だと
- 達成感が早すぎる
- つい他の目標に目が向く
- やりかけの目標ばかりになる
結果、何一つきちんと達成することができなくなるのだそうです。
(私自身、思い当たることが多くて反省しました)
一方で「これから思考」だと、これからやるべきことが意識されるのでモチベーションがアップするのだそうです。
つまり、フィードバックは「ここまでやり遂げた」という思考だとモチベーションが下がります。
常に「これからやること」に目を向けるのが秘訣だという話でした。
4. 現実的楽観主義者になる
4つ目は目標達成のための
- 上手なポジティブの在り方
についてまとめられていました。
例えば
- 望むことは簡単にできる
- ほしいものは簡単に手に入る
と考えると、失敗の確率が高まるという研究結果があるそうです。
このような考えは油断を招き、結果として準備を怠ってしまうのが原因になります。
本書ではこういった態度を「非現実的な楽観主義者」と読んでいました。
例えば
ポジティブに考えれば、引き寄せの法則で何でもうまくいく
前向きに願っていれば、自分に都合の悪いことは何も起こらない
といった考え方です。
※本書では「引き寄せの法則」に対しては否定的な立場をとっていました。
+α 成功を心から信じ、かつ困難だと意識する
心理学者のアルバート・バンデューラは
ある人が成功できるかの最も信頼できる指標―――それはその人が心から成功できるかと信じているかにある
という事実を発見しているそうです。
なので実際、多くの楽観主義者がこの考え方に従っているのですが、そこには落とし穴があるというのが著者の指摘です。
すなわち「目標は達成できる」と信じることは大切ですが「目標は簡単に達成できる」と信じると、逆効果になってしまうのです。
成功することの大変さを理解している人は、最善の努力をしなければいけないと考えます。
だからこそ粘り強く、問題が起きても対処し、最後には成功をつかみます。
一方で「自分の望むことしか起こらない」と考えている非現実的な楽観主義者になってしまうと、目の前の障害や困難を受け入れることができません。
また、深く考えずに大きなリスクを冒してしまうこともあります。
- 成功するのは簡単ではない
というのは一見ネガティブな考え方です。
でもそのうえで
- 問題や課題から逃げない
- 問題や課題を検討する
という姿勢をもったうえで「自分は成功する」と信じ、行動できる人が一番目標達成しやすいという話でした。
5. 「成長すること」に集中する
5つ目の大事な考え方は
今できなくてもできるようになる
と信じることです。
これは「自分には成功する力がある」と信じるのと同じくらい大切な力だと書かれていました。
例えば
- あの人は生まれつき頭がいいから
- 自分の能力じゃどうやっても無理
という思考をしている人は「今の自分ができると思える範囲で目標を立てる」ようになります。
つまり「自分の未知の能力を引き出す」ためではなく「今の自分の能力を証明するため」に目標を立ててしまうのです。
しかし著者は、この考え方は本当にもったいないと一刀両断しています。
「能力とは生まれつき決まっているもので、変えることはできない」という考え方は間違っていることが、多くの研究結果で実証されているからです。
どんな分野の能力でも、一般に思われているより、ずっと柔軟性があるものです。
つまり、能力は努力次第で伸ばせるのです。
「私は、自分が望むように変わることができる」———そう思えれば、人生はどれだけ自由でエキサイティングなものになるでしょうか。
と語っています。
「証明ゴール」と「成長ゴール」
加えて、新しいことに取り組む際に
失敗してもいい、と開き直る
と自信と活力をもてるということが、心理学で裏付けられていると本書では書かれていました。
さらにいえば「失敗してもいい」「失敗しても大丈夫」と考えていた方が、失敗の確率が大幅に低くなるという研究結果もあるようです。
本書ではこれを
- 「証明ゴール」
- 「成長ゴール」
の2つに分類して、説明していました。
前者の思考の人は「自分の能力を証明するため」に目標を設定します。
この場合、未知のことに取り組む際に「正しいことをやっているのか」と不安になりやすいのだそうです。
完璧にやらなければと考えて、逆にミスを犯しやすくもなります。
一方で、後者の「成長ゴール」思考は「自分の能力を伸ばすため」に目標を設定します。
なので
- 失敗
- 困難
を問題解決の「学び」と捉える傾向にあります。
実際に、難しくて意地悪なテストを渡しても「成長ゴール」思考の学生はモチベーションが高いまま、成績も良かったのだそうです。
+α 期限の良し悪しより「興味の有無」
もう1点、この章には
- 興味のある課題に取り組むこと
の重要性も書かれていました。
「簡単で興味のない課題」と「難しくて興味のある課題」を渡したときでは、後者の方が被験者の成績が良かったそうです。
つまり課題の難易度よりも、被験者の興味の有無が成果に差が出たということです。
また「機嫌よくいること」も活力を上げる有効な方法になりますが
その度合いは、人が興味をもって何かをしているときとは、比べ物にならないほど低かったのです。
つまり「機嫌の良し悪し」よりも、「興味の有無」の方が圧倒的に人の活力を高めるのです。
と書かれていました。
まとめると、完璧主義は止めて失敗ウェルカムで目標を立てること。
かつ、目標に対して興味をもち、その価値を信じることがモチベーション維持につながるという話でした。
6. やり抜く力をもつ
さて、社会的に成功している人たちがもつ「やり抜く力」は
- Grit(グリット)
と呼ばれる心理特性として近年注目されている、と著者は語ります。
実際「グリット(=やり抜く力)」をもつ人は、大学入試でも高い得点を得ていて教育水準も高いという実験結果があるそうです。
ここで
- 自分にもそんな才能があれば…
と思ってしまった人が変わるための具体的な考え方を、著者は明記しています。
固定的知能感と拡張的知能感
心理学者のキャロル・ドゥエックという方によると
- 自分の知能に対する2つの考え方
が存在し、このどちらか一方を私たちはもっているのだそうです。
1つ目が
- 固定的知能感
です。
これは「知能はもって生まれたもので固定されている」という考え方で、業績や成績も生まれつきの才能で決まっているというものです。
なので、個人の努力ではどうにもすることができない、と信じています。
著者はハッキリとこれを間違いだ、と明言しています。
反対に著者があらゆる研究から、その正しさが証明されていると語るのが
- 拡張的知能感
です。
これは「能力は経験や努力によって高めることができる」という考え方です。
能力は絶対にのばすことができる
ただし「グリッド(=やり抜く力)」が絶対に必要不可欠だということです。
+α うまくいかない原因の捉え方
目標達成に向けて行動を「諦める人」と「我慢強く続けられる人」の違いは
- 何のせいにするか
で予測することができるといいます。
「固定的知能感」をもつ人は
- 自分に向いてない
- 自分に能力がないせい
と考えます。
さっと見切りをつけてしまって「自分はこれ以上やっても無駄」と考えてしまいます。
(私は完全にこのタイプです…)
一方で「拡張的知能感」をもつ人は
- 努力不足だ
- 戦略を間違えた
- プランを練らなかった
と考えるので「成功は自分の頑張り次第」と踏ん張ることができます。
つまりどんな困難な状況下でも、努力を続けることができるのです。
+ α 固定的知能感は「自分の成長」に不安を感じる
興味深いことに「固定的知能感」の欠点は「やり抜く力」がなく
- 自分の成長に不安を感じる
という傾向があります。
何故かというと「固定的知能感」は
- 努力で自分の状況を良くするのは不可能
- =成長するはずがない
と思っているので、想定以上に良い結果が得られると
- 不安
- 居心地の悪さ
- これはおかしい
と感じてしまい、自らのパフォーマンスを下げて安心してしまう傾向にあるのだそうです。
作者はこの章の最後に
人は変わることができます。
どんな能力でもあなたの努力次第で高めることができます。これは心理学が証明しているのです。
次に「私には無理だ」と言いたくなったら、こう言い換えましょう。
「今の私にはまだ無理だ」と。
と語っています。
7. 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える
この章では、筋肉を鍛えるように
- 意志力(=自己抑制力)
を強くする具体的な方法が書かれていました。
それは、とにかく何でもいいので
- 気が進まない
- (+が、価値あると思うこと)
をとりあえず続けるという方法です。
これは価値があると自分自身が思えれば、どんなことでもいいそうです。
何故ならどんな挑戦も
- 誘惑に打ち勝つ必要がある
ので、少しずつ意志力をパワーアップさせることができるというものでした。
(※何か1つでも続ければ衝動をコントロールするのが上手くなるため、他のことも続くようになる)
- 甘いものを控える
- 汚い言葉使いを止める
- 毎朝、ベッドを整える
など、どんな小さなことでもOKなので意思をもって続けていく習慣をつくってみましょう。
+α 意志力が強い人を思い浮かべる
意志力が弱まったときは
- 意志力の強い人
を思い浮かべると、それだけで意志力が回復するという実験もあるそうです。
なので「続けられない」と挫折しそうなときは、誰かしら思い浮かべる人を決めておくと良いでしょう。
8. 自分を追い込まない
意志力は鍛えることが可能ですが
- 限界もある
と著者は語っています。
どんな筋肉も使いすぎたら、疲れてしまうのと同じです。
なので注意点として
- 目標は1つに絞ること
- できるだけ簡単な方法を見つけること
を強調していました。
というのも、自分の意志力を過大評価している人の方が目標達成に失敗する可能性が高いそうです。
すなわち
- 難しい目標二つ同時に取り組む
- わざわざ困難な道を選んで進む
など「自分ならできる」とイバラの道を自らに用意しないように、ということです。
逆に
自分の意志の力には限界がある
と理解している人の方が誘惑をきちんと避ける自己管理ができ、易き道を選ぶので成功しやすいというわけです。
+α やめるときはスパッとやめる
また、何かを止めるときのコツとして
- スパッとやめる
ことの大切さも書かれていました。
例えば「タバコの量を1日3本から1本に、達成出来たら3日に1本に」という具合に徐々に減らすよりも
- 「これからは禁煙」
とスパッと止めた方が、結果的には意志力が消耗されずラクということです。
8. 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する
最後に目標を立てるときに
- やめたいことを考えるのは×
という考え方が紹介されていました。
具体的には
- 怒らないようにする
- 無駄遣いしないようにする
- お酒を呑まないようにする
といった具合に「~しないように」と考えると、人間は逆にそのことばかりを考えてしまう(以前よりもその回数が多くなるという実験結果がある)のだそうです。
なので、何かをするときは
- やめたいこと
に焦点を絞るのではなくて「何をするのか」を考えるように、とのことでした。
まとめ|「やり抜く人のための9つの習慣」を要約してみて
ということで今回の記事では
- やり抜く人のための9つの習慣
という本の内容を要約しました。
思ったより薄くて小さな本だったので「わざわざ買わなくても良かったかな」と不安になったのですが、読んでみると
- シンプル
- わかりやすい
- かつ見落としがち
なことがスッキリまとめられているという印象です。
この9つの考え方を振り返って、今の自分に何が足りないのかを見ていくと
- 目標に具体性を与える◎
- 目標達成への行動計画をつくる△
- 目標までの距離を意識する△
- 現実的楽観主義者になる △
- 「成長すること」に集中する ×
- 「やり抜く力」をもつ ×
- 筋肉を鍛えるように意志力を鍛える △
- 自分を追い込まない △
- 「やめるべきこと」より「やるべきこと」に集中する◎
という感じかな、と自己分析もできました。
ちなみに私が読んでいて「ずっと勘違いしていた」と反省した部分は
- これまで思考
- これから思考
の内容です。
ずっと「これまで思考(自分の達成した成果を振り返る)」タイプで、それがモチベーションアップにつながると思い込んでいました。
が、確かに自分の成長が止まるタイミングはいつも
- ここまでやったぞ!
と最初に立てた目標を振り返って、満足してしまった瞬間なんです。
(そして違うことに目移りしてしまい、何もかもが中途半端になってしまうタイプ)
もう一つ
- 固定的知能感
も自分に当てはまっていて、失敗の原因はいつもコレかもしれないと反省するものがありました。
自分の能力の限界を勝手に決めてしまうので
- 限界を感じると簡単に諦める
- プラスの成長を潰して自滅する
- 目標が高くなると努力できない
という傾向も強いな、と思いました。
この9つの習慣をすべて兼ね備えた人は、それほど多くないと思うので
- 自分にできてること
- 自分にできてないこと
を確認しながら、行動を振り返るという実践的な使い方が一番良いかもしれませんね。
当記事にまとめていないこともありますので、気になる方はぜひ手に取ってみてください。
それでは最後までお読みいただき、有難うございました!
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