温泉初心者が参考にできる*温泉分析表のざっくりした見方
今回の記事では、温泉分析表の見方を簡単にまとめたいと思います。
というのも私自身、温泉が大好きなのですが
- 分析表の見方がさっぱりわからないという悩み
を抱えていました。
▲温泉分析表とはこういうものです。温泉のデータが記載されています。
きっと同じように考えている方も多いと思うので、簡易的なものになりますが、ものすごく基本的な部分の、温泉分析表の見方をまとめておきたいと思います。
当記事が、皆さんの今後の温泉ライフの参考になれば幸いです。
1、泉質
まず、温泉の泉質は成分によって、以下10種類に分けられます。
- 単純温泉(日本一多い)
- 塩化物泉(単純温泉の次に多い)
- 炭酸水素塩泉(アルカリ性美人の湯)
- 硫酸塩泉(傷に効く)
- 二酸化炭素泉(泡の湯)
- 含鉄泉(さび色の湯)
- 酸性泉(ピリピリ刺激)
- 含よう素泉(新泉質の黒褐色)
- 硫黄泉(卵臭と湯の花)
- 放射能泉(痛風の湯)
自分の好きな湯はどれか、予め知っておくと湯巡りが楽しくなるかもしれません。
(ちなみに私はぷくぷくと体に泡がつく二酸化炭素泉と、真っ白で匂いがぷんぷんする硫黄泉が好きです)
各泉質の詳しい特徴については、また別記事にまとめたいと思います。
2、適応症
入浴したときに改善が期待できる症状が記載されています。
具体的な効能がわかるので、確認したことがある人も多い項目だと思います。
3、禁忌症
入浴が制限される症状が記載されています。
該当するものがないか入浴前に確認した方が良いかもしれませんね。
4、入浴時の注意
入浴する際に注意するポイントが記載されています。
注意点を含め、適切な入浴回数や時間を確認するのがおすすめです。
5、浴槽温度
浴槽の中の湯の温度を表記しています。
- ぬる湯
- あつ湯
といった看板などが浴槽にかかっていることもありますよね。
ちなみに、私たちが最も気持ちいいと思う温度は42℃前後だそうです。
ぬる湯とあつ湯の基準も42℃を基準にすると、判りやすいと思います。
6、泉温
温泉が噴出した際の温度を表記しています。
温度によって
- 冷鉱泉(25℃未満)
- 温泉(25℃以上)
となります。
また温度が高いほど、成分が溶け込んでいて、濃いです。
成分が濃いと、湯あたりの危険もあるので注意しましょう。
7、温泉の処理
加水や加温の有無が表記されています。
「源泉かけ流し」の温泉だとしても、源泉の温度が熱すぎれば、ゆっくりお湯に浸かることなどできません。
なので
- 温度を調整するために水を加える(これが加水です)
のです。
水で薄まるということで、あまりいい印象を持たない人もいます。
なので、加水・加温に関しては賛否両論あります。
ただ、熱すぎる湯には入れないですし、先ほど述べたように私たちの体にちょうど良い温度というものがありますよね。
適度な加水で新鮮な湯に入るために、やむを得ない加水を否定することはできない気もします。
8、浸透圧
浸透圧というのは、簡単に言うと
- 温泉成分が体に吸収されやすいかどうかわかる
という値です。大きく分けて
- 低張性
- 等張性
- 高張性
の3通りで表記されています。
一見、成分が浸透しやすい高張性の温泉の方が良い気もしますよね。
でも成分が濃いということは、湯あたりしやすいということです。
なので、浸かる時間に気を付けるという配慮も大切になります。
9、給湯方式
給湯方式には大きく分けて
- かけ流し
- 循環ろ過式
の2種類があります。以下、簡単に説明しますね。
「かけ流し」って何?
一般的に「かけ流し」の温泉は
- 常に新しいお湯を利用している温泉
- 一度使われたお湯は、排出(1度しか使わない)
というものです。
つまり「源泉かけ流し」というのは、そのまま源泉を浴槽に流して、一度しか利用しないので、成分の濃度も高く、効能も高いといわれます。
簡単に言うと、すごく贅沢な湯の使い方をしている温泉ということです。
「循環ろ過式」って何?
一方で「循環ろ過式」の温泉は
- お湯を循環させて、再利用している温泉
のことを指します。
「かけ流し」をするには沢山の温泉が必要です。
でも温泉の湧出量に限りがあり、そんなに大量の温泉を贅沢に使えない場合があります。
循環ろ過式を使えば、そんな場合でも問題なく、大きな浴槽で、たくさんのお客さんに温泉に入ってもらえるということです。
また、お湯が絶えませんので24時間利用できるというのも特徴です。
ただしお湯を再利用しているわけですから、効能が高いとは言い難いです。
さらに衛生のために
- 不純物を取り除く(ろ過)
- または塩素系消毒剤を使う
という流れになります(そのため、循環ろ過式の温泉に関しては否定的な人が多いですね)
10、pH値
最後に、温泉の分類ポイントとしてよく挙げられるpH値について確認です。
pH値とは
- 温泉に含まれる水素イオンの濃度(pH)
を指します。
この値によって、ざっくりと温泉の種類は
- アルカリ性(pH7.5以上)
- 中性(6以上~7.5未満)
- 酸性(6未満)
の3つに区分することができます。
ちなみに、私たちの身近なもので確認すると
- アルカリ性:石鹸(pH7~10)海水(pH8~8.5)
- 中性:水道水(pH6.5)汗(pH7~8)
- 酸性:レモン(pH2.5)炭酸飲料(pH3)皮膚(pH4.5~6.5)
となります。
ちなみに女性は豆知識として、皮膚は
- オイリー肌:酸性(4.5~)
- 乾燥肌:アルカリ性(~6.0)
に数値が近づくと知っておくとよいかもしれませんね。
それでは以下、それぞれの湯の特徴を確認してみましょう。
アルカリ性の湯の特徴
アルカリ性の湯(pH7.5以上)の特徴は
- とろとろぬるぬる美人の湯
という点です。
アルカリ性の湯は、石鹸とほとんど同じ化学反応を起こし、ヒトの皮膚の表面に含まれる余分な皮脂や角質を溶かしてくれます。
つまり、とてもクレンジング効果が高いんです。
(石鹸で体を洗わず入浴後、きちんと水で流せばOKということになります)
特に、弱アルカリ性(pH7.5以上8.5未満)の湯は
- 肌に優しい美肌(人)の湯
なんて呼ばれたりします。
ただし、強アルカリ性(pH10以上)の湯に入るときは
- 逆に脂が落ちすぎて、肌がカサカサになってしまう可能性アリ
ということになります。
きちんと湯上りケアを忘れないようにすると◎だと知っておくと良いと思います。
中性の湯の特徴
中性の湯(6以上~7.5未満)の特徴は
- 肌に優しい(刺激が少ない)
ということです。
日本の水道水は中性、つまり私たちが普段はいるお風呂の湯も中性です。
馴染みがあり、刺激が少ない分、体には優しい湯ともいえるわけですね。
酸性の湯の特徴
酸性の湯の特徴は
- 殺菌力が高く少しピリピリする
という点です。
体の新陳代謝も促し、皮膚病などの治療にも昔から使われてきた湯です。
(皮膚病全般に効き目があるともいわれます)
刺激が強く、男性に人気が高い湯だそうです。
ただし肌への刺激も強いので、入浴後はきちんと水で流すのが◎です。
まとめ|温泉分析表の見方
ということで、温泉分析表に記載されている内容をできるだけわかりやすくまとめてみました。
項目の順番は分析表によって異なりますので、自分の気になるポイントを頭に入れておいて、入浴時にチェックすると良いと思います。
※ちなみに「浸透性-液性-泉温」は3つまとめて表記されていることが多いです。
さて、色々とまとめてはみましたが
(ええい!温泉なんて気持ちよければ何でもええんや!)
という人もいらっしゃると思います。
でも、個人的にはこういうの調べるの大好きなんですよね(笑)
ということで私自身、今後温泉に入るときにチェックしたいポイントをまとめてみたつもりです。
同じように温泉に興味がある方の参考になれば、幸いです。
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