シンガポール~ギリシャに26380円で飛んだ夏【スクート便でアテネにゆく】
ヨーロッパ旅行といえば
- フランス
- イタリア
- ドイツ
- スペイン
- イギリス
などが人気で、あえてギリシャを選ぶという人は多くないのかもしれません。
かくいう私も最初に旅行する欧州として、ギリシャを選ぶという発想は全くありませんでした。
ただ高校時代の世界史の先生が
新婚旅行でクレタ島に行った
と言っていたのを、ずっと覚えていたんです。
当時の私は、海外旅行は生涯に数回あるかないかの大イベントだ、と考えていました。
その目的地に、ギリシャを選んだ。
この選択が、なんだか世界史教師ならではの「粋」のようなものに思えたのでしょうか。
それからずっとギリシャで島巡りをするというのは、私にとって一つの憧れだったように思います。
さて、2019年の晩夏。
リュック1つでアジア旅行をしていた私は、シンガポールの宿にて次の目的地を憧れの地ギリシャに定めました。
と言っても、昔からの夢を叶えるといった大層な動機に突き動かされたというより
お値段たったの26380円
というスクート便(シンガポール~ギリシャ)の安さに心惹かれたというのが本音です。
LCCでアジアから欧州へ。
シンガポールからアテネは、約12時間の長距離路線。
LCCの座席の狭さ、サービス内容、云云かんぬんを考えると即決を悩む選択でもありましたが、安さの誘惑には勝てません。
そして何と言っても、行き先はギリシャなのです。
高まる期待を胸に予定をワクワクと練りながら、シンガポールからアテネに旅立ったのでした。
深夜の空港、期待と不安とLCC
旅行好きな人は、空港が好きという人もきっと多いのではないでしょうか。
私もその一人なのですが、特に
- 深夜の空港
が好きです。
夜なのにそこはいつも明るくて人の気配があり、決して眠らないのだなと思います。
さて、私がこの日乗ったのも
- シンガポール(2:35発)
の深夜便でした。
窓の外は真っ暗なのに、沢山の人の列に押されるようにして飛行機に乗ったのを覚えています。
既にそこはシンガポールという異国ではありましたが、日本とはさらに遠く離れた文化圏に一人で旅に出ると思うと、改めて不安を感じるものです。
けれども夜というのは便利な時間で、眠気で容易く不安を緩和することができます。
フライトは12時間。
眠っていたおかげで、意外なくらいにあっという間でした
…と言いたいところなのですが
いささかせまい
どんな場合にも、安さには理由があるもので、これは仕方ないと割り切るべきLCCの欠点でしょう。
わかってはいたことなのですが、いささかと言いつつも、やはり後半が苦しくて苦しくて。
眠っていても、目が覚めてしまって。
時計をチラチラ見ては「まだあと4時間あるやん…」という感じでした。
ようやく見えてきたギリシャの大地。
案の定、飛行機を降りるときにはゲッソリ。
とは言っても
- トラブル
- 時間に遅れる
といった問題もなく、この安さでアジアから欧州へ飛べたのだから大万歳といって良いでしょう。
無事にアテネに到着。
早速、空港内にあるレストランに着席しました。
おなかが減っていたので、がっつりとハンバーガーを注文(思った以上の量にビックリ)
食べた後も、ほとんど力尽きかけていて。
ぼんやり座り、無料マップの後ろにあった寿司の広告を「めっちゃ可愛いネーミングやん」って思いながら虚ろな目で眺めていたのを覚えています。
海外旅行時には、気を引き締めないといけないタイミングが幾つかあります。
その1つが、新しい国へ飛んだときの
- 空港から市内への移動
です。
特に長距離便から下りた時は、体力が削られていて判断力が鈍る可能性が高いです。
荷物を背負っていて、スリなどにも要注意なうえに
- 知らない国・土地
に足を踏み入れるときは、未知のことが多くトラブルに巻き込まれやすいと考えています。
で、アテネに関しては
- スリ多い
- 治安微妙
という情報が多かったので、かなり不安も大きかったんですよね。
しかし、このままぼんやり座っているわけにもいかない…とアテネ中心地に向かうバスに向かったのでした。
空港から出ているバスに乗る
私が、空港を好きな理由は幾つかありますが、おそらく
- 安心感がある
というのは大きな理由になるでしょう。
これは異国に足を運んだときに顕著に感じるものです。
きっと(必ずしもそうではないかもしれないけれども)空港なら安全だという意識があるのでしょう。
だから初めての国で、最初に不安を覚えるのはいつだって
- 空港から出た瞬間
です。
看板に従って、バス停に向かいます。
ここまでは平常心。
でも空港の入り口を出た瞬間に、体に緊張が走るのを感じるのです。
自分を守ってくれていた膜のようなものが、バッと消え失せてしまったような心もとなさです。
日本から遠く離れた場所に今、自分が一人でいるという事実が急に現実味を帯びてきます。
胸をバクバクさせながら事前に調べていたバス停に足を運び、看板をチェック。
空港から
- 6€
で、目的地のシンタグマ広場まで行くことができるようです。
無事にチケットを購入(なかなか可愛いデザインでした)
普段から、よく電車やバスを乗り間違えるボーっとしてる人間なのですが。
異国でバスに乗る時は、絶対に行き先を間違えないように気を付けます。
それでも、バスに揺られながら
- どこか間違った場所へ
- 思いもよらない場所へ
- 予想外の知らない土地に
運ばれてしまったら、どうしようか…とあらぬ妄想が頭をよぎるものです。
このときには、すっかり眠気など吹き飛んでいて目がギンギンに。
私は空港からバスでの移動時は、必ず
- オフラインマップ
を起動して、バスでの現在地を確かめながら乗車します。
バスが目的地に順調に進んでいることに安堵しながら、少し緊張しつつ窓の外を眺めていました。
乗車時間は
- 12:15~13:19
約1時間でした。
バスを降りた場所から、少しだけ歩くとシンタグマ広場なる場所が。
おお~やっと目的地に到着、と一安心です。
でもここで気を抜かず、宿に直行しなければなりません。
アテネの地下鉄は全くいい噂がないので、ものすごく悩んだのですが私はガッツリ使いました。
というのも宿が、ここから2駅先の場所にあったのです。
ちなみに、アテネの地下鉄はスリなどの悪い噂が多いので心臓バクバクさせて、地下に潜りました。
が、利用してみると
パリより安全…(?)
という印象でした。
最初のヨーロッパ旅行で、パリを選んだのは良くも悪くもいい経験になっているようです。
アテネはあまり良い噂は聞かないので、要注意ではありますが
- 夜は絶対に乗らない
と決めて、スリに気を付ければ昼間の利用は大丈夫かなと思うものがありました。
ゲストハウスは駅近く。
少し歩いて無事に宿が見えたときの、ホッと大きく気が抜ける瞬間。
なんだかんだでこの瞬間がすごく好きで、あえてハラハラを求めて自分は旅行に出ているのかもしれないな、と思うものもありました。
この日は、あまりに眠かったので、観光はパスして就寝。
次の日の朝から、アテネ巡りを開始することにしました。
―――…こんな感じで、2019年の旅行を少しずつ記事にしていこうかと思います。
本来なら少し違った形の記事になる予定だったのですが。
コロナで海外旅行への道が閉ざされた今(そして海外旅行ハウツー記事の需要が消滅した今)少し肩の力をぬいて、ゆるゆるとした旅行記を書いていければと考えました。
誰かの役に立つような情報、といった感じではないかもしれませんが。
ちょっとした旅行メモを覗くようなノリで、興味をもってくださる方がいましたら、ぜひお付き合いください。
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